建築家と建てる住宅記録

住宅に関することあれこれ

提案を鵜呑みにしない、自分で調べる考える

建築家からプランを提案されたら、基本的に即決は避け熟考されることを薦めます。

直感で『イイ!』と思ったときは、勢いも大事ですし即決でも良いと思いますが、それが修正が効かない箇所である場合にはやはり慎重に決められた方が良いでしょう。

初めに要望を伝えてあとは建築家におまかせ~、という方もいらっしゃるようですが、リスクは高いと考えます。

自分で提案内容を考える、建材も調べる、完成形をイメージする。
この事により、完成する住居と自分のイメージがぐっと近くなると思います。

しかしなんでもかんでも保留にしたら作業は進みませんし、建築家のモチベーションも低下する可能性があるので、その辺りは適度に、といったところでしょうか。

そもそも『イイ!』と思えない提案ばかりなら、自分にとってその建築家は合っていないと思われます。

土地先行取得と住宅ローン減税

住宅ローンの返済が開始しても住宅ローン減税が受けられない!

こんなケース、注文住宅にはよくある話なので注意が必要です。

例えば、土地を先にローンを組んで買って、その年内に住宅が完成(登記、建物に土地の抵当権設定?)しなかったときは、その年分の住宅ローン減税は受けられません。

住宅が完成しなければ、ローンの返済と現在の住まいの維持費という出費が両方発生する上、住宅ローン減税も受けられないという、注文住宅のデメリット要素がここに表れています。

このあたりは一般的に購入時には住宅が完成している建売住宅が、簡潔で負担なく購入できるという点では圧倒的な優位性を持ちます。

住宅ローン減税は、住宅が建って初めて適用できるもの。

その年の年末ローン残高に応じて住宅ローン減税が適用できる関係上、適用できなかった始めの年分の返済額分は、翌年以降の同控除には全く影響を及ぼさないという、残念なかたちです。

予算組みは、住宅の完成時期も考慮しながら余裕をもって行うと良いでしょう。

建築に役立つTV番組

TVっ子なのでいろんな番組を観ています。
※書く量が多いので随時更新しています。

渡辺篤建もの探訪
→昔から放送していて総合的に最も参考になる番組。
毎週新築のお宅が拝見できる貴重な番組です。
基本的に住まい手に寄り添った構成で、渡辺篤さんがその建築の良いところを丁寧に称賛していきます。
逆に悪いところは言わないので、リアルさに欠ける面もあります。
自分のアンテナにビビっと来た放送回は保存して、ある程度貯まってまとめて観直すと、自分の好きな家が見えて来ます。
映像も綺麗に撮っていますが、綺麗な選曲も多く、好印象です。
気に入った建築があったら、公式HPで建築家の情報も掲載されているので要チェックです。
私が普通の家に魅力を感じないのは、親の影響で小学生の頃からこの番組を観ていたからだと思います(笑)



②建築家のアスリートたち
→工務店主導型建築家紹介会社、ASJによる建物紹介番組。
特筆すべきは、建築家が建物の解説をしていることろです。
住まい手の意見は色んな番組で見受けられますが、建築家の視点でつくる番組構成は他に少なく貴重です。
その建築家の、家への考え方・思い・取り組む姿勢などが番組を通じて多少でも感じられると思います。
とにかく映像が綺麗。音楽はスタイリッシュ一直線です。
建築雑誌に載っているようなものが映像化されています。
綺麗過ぎて生活感は皆無…
放送間隔は結構長いので放送が待ち遠しいです。



辰巳琢郎の家物語
→リフォーム中心の建物紹介番組。
新築ではないですが、建材の情報が随所に出てきて勉強になります。
辰巳さんのざっくばらんな会話も味があります。



④価値ある家づくり!バリューハウス
→工務店設計施工寄りな番組。
紹介している建物は様々で、その建物の良いところ悪いところを放送しています。
この『悪いところを紹介する』ところは貴重です。
何気なしに採用しようと思っていたことが、実は…なんということもあるかも知れませんね。
また、建築にまつわるお金の話がとても丁寧に紹介されています。
これから建てる方にとって、お金のコーナーは是非見てもらいたいです。



⑤有吉ゼミ
坂上忍の家を建てるのコーナー。
隔週ペースで放送しています。
以前は土地を買うコーナーでした。
このコーナーの一番の魅力は、建材や設備個々の金額が紹介されているところです。
概ねこだわりのポイントが価格とともに紹介されているので、ぐっと現実味が湧きます。


大改造!!劇的ビフォーアフター
→リフォームメインな番組。
実は今まであまり観ていませんでしたが、建築途中の現場が放送されていたり興味深い番組だと思います。
建築家や現場の人間が主に主役。
たまに衝撃的な建物が放送されるとか。


⑦完成!ドリームハウス
→新築メインな番組。
こちらも今まであまり観ていませんでした。
番組構成はビフォーアフターと似ている印象ですが、個人的には新築戸建のこちらの方が面白いです。
なにやら伝説の放送回があるとか。

屋根の軒出

以前は陸屋根が一番好きでした。

RC建築が好きなこともありますが、そのモダンですっきりとした佇まいが魅力的です。

結局予算的にRCは叶いませんでしたが、木造でも陸屋根(または緩い片流れ)が良いと思っていました。

しかし建物を沢山見ていくうちに、段々と好みに変化が生じできました。

『軒の深い屋根』

昔の家ほど、軒が深いことが多いと思いますが、私はそこに『風格』のようなものを感じました。

軒が深い屋根は、そもそも軒下に縁側設けられたり、外壁を日射や雨雪から防ぐといった役割があります。(その分屋根にダメージ…)

また、軒が深い家は土地に余裕があることが多いです。

逆に建蔽率一杯でたてる場合などは、軒出がほぼないことが多いです。

つまり軒が深い→『ゆとり』『余裕』がある→風格を感じる、というような思考回路です(?)

すっきり見せる陸屋根、余裕を感じさせる軒深の屋根、両極端に思えますがどちらも好きな屋根です。

一般的な軒出が30~45センチとして、60センチを超えてくるとかなり軒深と言えると思います。

ちなみに、ハウスメーカー住友林業は、90センチが標準だそうです。

建築費の見積調整②

予算オーバーしたときには、どこを削れば良いのでしょう?

端的に言うと、『こだわっていないところ』です。

例えば
・浴室にこだわりがなければ、一坪サイズのユニットバスにする。

・キッチンにこだわりがなければ、オーダーメイドではなく既製品にする。

・外構にこだわりがなければ、植木や塀、コンクリート敷きを最小限にする。

・こだわらない部屋の仕上げのグレードを落とす。

・造り付け家具を減らす。

・照明やその他設備のグレードを落とす。

・予備室のエアコンなど入居後すぐ必要のない設備を削る。

あくまでも優先順位をつけて、こだわる部分は死守した方が、結果的にメリハリが付いた家になると思います。

あと、しっかりした設計事務所なら、工務店から出された見積書から過大(過小)見積りを指摘してくれます。

これは着工後に生じる、設計事務所側と工務店側との認識のズレを減らす為に必要な工程だと思います。

ちなみに、『床面積を減らす』という方法もありますが、私はお薦めしません。

何故なら、基本設計・実施設計まで行った練りに練った間取りが崩れてしまうし、構造計算や設計自体がやり直しになることがあるからです。

見積り調整は、シビアなお金の話ですし、予算と見積額との差が大きい程時間がかかり、とても疲れます。

しかし、採用する建材や設備のことなど、自分の家の事が良く分かる期間でもあります。

無事納得できる見積額まで落とせたときは、困難な減額調整だったときほど大きな充実感を味わえることでしょう。

今更ですが、当初見積は複数社に行い、見積誤りを訂正し、条件を極力同じ状態にした上で、より安価で信頼できる工務店を一社選定します。(工務店選定については過去記事を参照のこと)

その上で上記のような見積調整を行います。

建築費の見積調整①

『予算オーバー』
注文住宅で最も困難な問題の1つです。

要望を沢山すればするほど、素材や設備に拘れば拘るほど当初見積額が高くなることが多いです。

私の場合、随所でコスト管理(抑制)していても、当初見積額は予算額を約20%オーバーしていました。

結果的にはコストコントロールできていなかったということですが、見積一回で予算内に納めるのは、かなり難しいことだと思います。

建築費が高くなる原因の1つに、建築家との打ち合わせを経る毎に、要望が増え、夢が膨らみすぎてしまうことが挙げられます。

膨らみすぎた夢は、見積書を見た瞬間、霧散します。

予算オーバーにて契約(返済)できるお金がない場合、ここから苦しい減額の戦いが始まります。

夢を見るのも、理想を追い求めるのも、満足度の高い家づくりを実現するためには大事な要素です。

現実的なことばかりではきっと面白い家は出来ないでしょうから。

ただ、一方で夢を見すぎるのも、先述のとおり予算オーバーに繋がって行きます。

何事も節度、ほどほどが大事です

当初見積は、予算オーバーするかも知れないと思いながら、見積結果を待つくらいが精神的には良いかも知れませんね。

では予算オーバーをしたときは、どこを減額するのか。

それはまた次回。

工務店の選定について②

そもそも工務店をどうやって探したら良いのか?

以下、探し方例です。

①契約している建築家からの紹介。(実際にタッグを組んだ事がある場合)
→建築家と施主の信頼関係があれば問題なし。施工上のトラブルリスクが減ります。
建築家がイメージした通りの仕上がりが期待できます。
複数業者による見積り合わせは不可欠。

②工務店紹介サービスに依頼。
→インターネットで簡単にでてきます。
紹介自体は無料のところもあります。
サービスに完成保証のようなサービスもあり、一定の安心感があります。

③実際にタッグを組んだことがないが、建築家のネットワークで評判の良い工務店。
→結構お薦めだったりします。
工務店の建築家業界での評判は、部外者はなかなか分からないもの。
建築家、工務店が初タッグで良い緊張感を生む場合も。
逆に初めて故に、建築家のイメージが現場に伝わり辛いなどのリスクも孕む。
ほかは概ね①と同様。

④インターネットなどを駆使して自力で探す。
→施工例をたくさん見て気に入ったら、工務店や建築現場に行ってみるのも良いです。

⑤知り合いに工務店がいる。
→格安で建てられるかもしれないですが、リスク要因も多いです。
ハッキリ物を言える関係であることが大前提。
当然相応の技術力も必要です。

以上、いずれにしても複数業者からの見積りは必要かと思います。

見積り一発で契約?そんな方いるのでしょうか…。(お金持ち除く(笑))
次回、見積り調整(減額)の話の予定です。